一般監理団体(優良団体)、優良企業の落とし穴

一般監理団体や優良企業だからこそ不正行為を隠蔽してしまうのではないかと思っています。
せっかく一般や優良になったのに、わざわざ不正行為を外国人技能実習機構や入管に報告して、減点されたくありませんからね。

一般監理団体から特定監理団体へとなった場合…

うちの組合もなんとか一般監理団体(優良)となれました。今後も法令遵守で技能実習実施者を監理していくつもりです。監理している企業において法律に触れるような問題が起こり、それが監理団体の監理能力を問われるような問題であれば、一般監理団体として減点対象となります。

120点満点中6割以上点数を満たしていないと、一般監理団体から特定監理団体へと格下げされます。実際に格下げされたところはまだ無いと思いますが、もし格下げとなったら、拡大された人数枠で技能実習生を受け入れている企業は大きな被害を被ります。

優良企業ということで最大枠12名受け入れた場合、枠が半分の6名になってしまいます。
企業が優良であっても、監理団体が一般でなければ受け入れ枠は拡大されません。技能実習生3号に関しても同様です。

もし、監理団体が格下げされてしまったら、今後人数枠の拡大は適用されなくなりますし、3号実習生を入国させることもできません。まさか、監理団体が特定に格下げなってしまった場合、現在在籍している技能実習生を即刻帰国させろ!なんてことにはなるとは思えませんが…。

  • 面接を終えて新規で入国してくる技能実習生達が入国できなくなる。
  • 一時帰国した3号実習生が再入国できなくなる。

これは苦しいですよね。
受け入れ枠が拡大されてウハウハになって、バンバン実習生達を受け入れていたら、突然バブル崩壊。地獄の底に叩きつけられることになります。

不正行為隠しが横行する?

私が心配しているのは、一般監理団体と優良企業の不正行為隠しです。
わざわざ不正行為を外国人機構や入管に報告して減点を食らうよりも、できるだけ隠しておいた方が良いだろうと考える監理団体も出てくるはずです。

  1. 失踪者数の捏造。
  2. 労働関連法違反の隠蔽。
  3. 技能実習生への人権侵害の隠蔽。

元々コンプライアンスの意識の低い企業の実習生達が技能試験実技3級に受かってしまい、受け入れ枠を拡大できた場合、「よし、優良企業になったんだから今までと違って法令遵守するぞ」と考えるはずがないでしょう。

ちょっとくらい36協定の限度時間を超えてもいいかな。
支払うべき残業代を少しくらいごまかしてもいいだろう。

このような企業に対してこれまで以上に断固たる対応を取らなければなりません。
毅然とした指導を行える監理団体は、違反内容によっては減点されるかもしれませんが、企業を監理していく意識が高く、悪い企業は淘汰され、良い企業が残る。あるいは悪い企業を良い企業へと変えていく力があると思います。

かたや、意識が低く、毅然とした対応を取れない監理団体は企業の不正を隠して隠して隠しまくって、ある日、労基や外国人技能実習機構、入管が企業に対して臨検を行い、不正行為が発覚。大きな減点を食らう。こういうのって芋づる式に見つかるものです。

A社でこれだけの不正行為があったのだから、X組合が監理していたB社、C社も怪しいと。

労働関連法違反が不正行為の大半を占めているようですから、やはり監査は大事ですね。三月に一度の監査義務がありますが、毎月やらないと怖くて仕方がありません。一般監理団体となったら、それくらい気合を入れて監理していかないと、一般の地位を守ることはできないでしょう。

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