ブローカーと化す組合職員

ブローカーなどは制度上唾棄すべき存在ですが、監理団体の職員として受け入れ事業を行なっている身でありながら、派遣機関への紹介料としてキックバックをもらっている輩は腐れ外道としか言いようがありません。キックバック問題に関しては内容が被っても、何度も書かせて頂きます。

なぜ腐れ外道かと申しますと、先日のガイアの夜明けでキックバック問題が少々明るみに出て、機構のホームページで注意喚起が出たからではありません。制度に反する行為であるとともに、そのキックバックの元手は技能実習生が出国費用として支払うお金に盛り込まれているからです。一番弱いものにそのしわ寄せが行くのです。

経験上、監理団体の職員を装っていてもキックバックをもらっている輩は見分けがつきます。

  1. ゴミのような案件(ブラック企業、コンプライアンス無視、経営が成り立っていない)でもすぐに受け入れする。
  2. 自分が拾ってきた案件以外には興味なし。
  3. 自分が贔屓にしている派遣機関としか取引しない。

技能実習生を受け入れてなんぼ

受け入れ先がどんなに酷い経営状態でも、コンプライアンス無視をする経営者であっても、失踪が頻発していても、日常的に外国人技能実習生に暴力を振るう職員がいたとしても構わずに受け入れを行う。入国させてしまえば派遣機関から報酬が得られるからです。

コンプライアンス重視、残業もそこそこあり、実習生に対する待遇も良い。受入数も多い。まさに組合にとって願ったり叶ったりの優良顧客。でも、これが自分以外の人間が契約した場合、キックバック常習犯はなんとも思いません。喜びません。

キックバックをもらっているのは組合の幹部がほとんどです。

彼を連れて営業に行き、話を決めたとしてもあまり喜ばないんですよ。組合としての収益は上がるけれども、それは組合の共有財産。それも、この事業は組合があまり儲からないシステムになっています。であるならば、不良企業でも少人数でも良いから自分が取ってきた企業、自分にたくさんキックバックをよこしてくれる派遣機関から受け入れたいわけです。

監理団体の職員として散々キックバックをもらった挙句、それが何らかの形で、組合内に漏れてしまいやむなく組合を去った人間はこの業界において何人もおります。そういった連中の再就職先は、同じ監理団体か、ブローカーとして活躍するケースがあります。

コネがあり、制度に対する知識がそこそこあるため、気軽で制度の束縛を受けないブローカーに転ずる。決してお天道様の下で生きている輩ではありません。ひどい場合は辞めた組合の傘下企業と連絡を取り合い、海外での面接には同席することもあります。彼らは辞めさせられたとは言え、かつて勤めた組合とは上手に付き合います。組合も彼の手腕を認めつつも、キックバックが発覚した以上いつまでも在籍させておくわけには行きません。

しかし、辞めてからなら話は別です。
ブローカーと化した職員はかつて自分が属した組織におみやげとして新規の企業を紹介します。ブローカーは派遣機関と組合とよしみを結ぶないと仕事ができません。いい加減な組合では継続的な受け入れは不可能ですから、自分がよく知っているかつての組合を通じて受け入れてもらう。そうすれば組合も喜ぶ。派遣機関も喜ぶ。

このような輩は絶対に排除しなければならないのですが、証拠不十分でとっ捕まえるのが非常に難しいのが現実です。噂ベースでならきな臭い話は耳にしたことがある。ただ、証拠がない。銀行口座に振り込まれた。現金手渡しの現場を目撃した。決定的場面をカメラにおさめた。

彼らの不正を入管などの関連機関に通報するに際して、派遣機関代表者の証言は果たして効果があるのか?

「◯◯組合のAさんにキックバックを強要され、今までウン百万円支払った」

ただ、伝えるに当たっても非常にリスクが伴うのは確かです。かつての組合幹部が現役時代にキックバックをもらっていたとなれば、組合そのものもダメージを受けかねません。ブローカーと化したかつての職員を告発した場合、組合がノーダメージであれば告発は増えるかもしれません。

この手のブローカーが次々と告発され刑に処されていけば、この制度も多少は快方に向かうかもしれません。ブローカーとして暗躍した人間にも厳罰を処するよう制度を改正していくべきだと思います。

タイトルとURLをコピーしました