介護技能実習生事業が熱くなってきた?

介護技能実習生事業が解禁されるのを見込んで、昨年の4月あたりにミャンマーで人材を選抜し、日本語教育を一年以上みっちり施した組合さんもあったようです。ただ、介護の技能実習生を受け入れるにあたっては様々な条件があり、それらを満たさないと事業ができません。

どうせうちのような弱小組合にとって介護技能実習生なんて関係ないけれども

という訳で、採用をして日本語教育を施したものの、入国させることができず宙ぶらりんになってしまった候補者達がおります。うちの組合にも2,3社から電話があり、「御組合の方で、ミャンマー人技能実習生を受けれてくれませんか?介護で採用したんですが…入国の目処がたたないので、職種はなんでも良いから受け入れ先がありませんか?」と。うちはあいにく受け入れ先はありませんでした。

ただ、受入れ可能な介護関連の団体は今まで外国人技能実習生を受け入れた経験がありません。「資格はあるけど経験がない」団体なわけで、監理のノウハウも事務仕事もわかりません。その為、受け入れ資格を有する介護関連の団体が、既存の監理団体と提携して受け入れるパターンが生まれるのではないか?と、思っていたら、案の定その動きが出てきました。うちの組合の理事連中にその話をしようと思いましたが、私個人としては外国人技能実習生を介護事業にぶち込むことは、日本の福祉介護制度を破壊する可能性もありますし、何よりも被介護側において格差が生まれるためです。日本人の介護士と外国人技能実習生の介護、明らかに違うでしょう。安全はもちろん安心感に差がありすぎです。

もし、理事連中たちが、「よし!下請けとしての仕事も引き受けよう!」なんて言い始めたら面倒なので黙っていました^^;

と、思っていたら、すでにそこそこの規模を持つ監理団体や介護団体は動いていました。
株式会社エスコミュニケーションと監理団体である公益社団法人日本会が共同して介護技能実習生の受入を行うと、日本シニアリビング10月31日号に記載してありました。日本会は長年の監理のノウハウがあるため、彼らが主体となって技能実習生の面倒を見るのでしょう。初年度において200名の受入を実現するとうたっています。昭和37年に佐藤栄作元内閣総理大臣が国際社会の「平和・安定」に貢献するために設立した由緒ある団体です。うちのような貧乏組合とは天と地ほどの差がありまするな…。

日本語能力はどうなんだ?

11月1日から計画認定の受理を始め、催促でも3月以降の入国となります。入国に関して介護技能実習生の日本語能力について条件が設けられました。N4以上の資格が必要とのことです。N4じゃ足りないでしょうに。

介護報酬が引き下げられることが決定しましたし、これからはますます日本人の介護士が減ってくるでしょう。となると、ますます介護実習生への期待が高まるわけです。

現在の制度において技能実習生の中核をなしているベトナム人、中国人はおそらく集められないでしょう。重労働の割に賃金が少ないからです。ベトナム人がダメならカンボジア、ミャンマー、ラオスなどの国民がなり手となるのでしょう。

外国人技能実習制度ってもともと物作りですよ?

「人間みんな同じ、人類平等。中国人も日本人もカンボジア人もみんな一緒。言葉が通じれば大丈夫さ!」

こんなお花畑でいいのでしょうか?仕事の仕様を教えれば大丈夫、日本語が通じれば大丈夫なのか?考え方の違い、習慣の違い…他の職種と違って扱うのは人です。それも高齢者です。1年目はなんとかなるでしょう。でも、3年目以降、3期生以降慣れてきたころに大きな事件が起こり始めるでしょう。

 

タイトルとURLをコピーしました