外国人技能実習生のトラブルへの対処法 喧嘩編

前回の記事で実習生のトラブル対応について書きました。

外国人技能実習生のトラブルへの対処法

今回はケンカや移行試験に落第したのに、絶対に帰国しない!と、駄々をこねる相手を帰国させるための説得方法です。説得と言っても、絶対に帰国させられる殺し文句というわけではありません。無事帰国させるかは、普段あなたと実習生の間にいくらかでも信頼関係があること。間違いをきちんと指導してきたかが、結果を左右します。



ケンカの場合

完全に気が触れていて、刃物まで持ち出して暴れた場合。相手を傷つけていないけれども、帰国させないと何が起こるかわからない危険な状況です。何が何でも帰国させないといけません。私の経験上、この手のタイプは男性よりも女性の方が多いです。男性の場合はすでに殴り合っているか、凶器で攻撃済みです。喧嘩両成敗で帰国させられます。

危険な相手です。

  1. 説得する際は二人以上で行うこと。
  2. 台所等凶器のある場所で面談しない。凶器が無いことを確認する。
  3. 出入り口を塞ぐ。ベランダのある部屋、大きな窓のある部屋を避ける。実習生の寝室などが良い。
  4. 厚みのある雑誌などを服の中に入れておく
  5. コートや上着を利き手ではない方にぐるぐる巻きにしておく。

4.5.は私個人の対応ですのであまり参考にはならないかもしれません。万が一凶器を隠し持っていて、襲いかかられた場合、利き手ではない方を盾代わりにし、利き手で振り払って逃げる。刃物相手の場合、逃げられる余裕があったら逃げること。絶対に戦おうとか捕まえようと思わないことです。逃げられない状況に陥った場合は話は別ですが…。

説得方法は前回の記事とほぼ同じです。

  • 可能であれば派遣機関の駐在員に同行してもらう
  • 保険金等ある場合、きちんと返金すると派遣機関に伝えてもらう
  • 会社にはいられない。寮にも住めない
  • 両親からの説得
  • 刃物を持ち出して暴れる人を受け入れられないことを伝える。

説得が完了し、移動時の注意点

  • 二人以上で送ること
  • 車の場合、運転手の後ろに実習生を座らせない。後部座席の真ん中に座らせ、二人挟み込む。
  • パスポート等身分証明書を一時預かる
  • ・電車などの公共の乗物の場合も同様。目を離さないようにし二人で挟み込むこと。

喧嘩両成敗で帰国させる場合

すでにケンカをし、口では相手を批判し続けているけれども、心の底では悪いことをした。後悔しているのです。懇懇と説得し帰国させます。喧嘩両成敗の方が、帰国させやすいですね。説得の仕方は上記とほぼ同じです。

「俺の方が重症で、あいつの方が軽症なのに不公平だ」

と言って、無理やり残留しようとした実習生たちがいました。でもね…、重症の方が20針、軽症の方が14針ですよ^^やっていることはどっちも凶悪犯罪。刃物沙汰。

ケンカの原因なんて些細なことが多いです。ゲームの音がうるさいとか、部屋の中でタバコを吸うとか、用を足す時トイレの扉を閉めないとか。

たかがケンカと思っていても、日本社会では犯罪です。警察に通報しなかっただけでもありがたいと思え!と、強気に伝えても良いです。優しく接してはいけません。自分たちは法律違反をした、会社に迷惑をかけた。だから、我々は怒っているんだ!ということを厳しく伝えます。時間はかかりますが、大体の実習生は渋々ながらもおとなしく帰ってくれました。

帰国させる時は、二人が同じ便にならないように配慮しましょう。飛行機の中でケンカでもしたら大変ですからね。

移行試験に落第した実習生を帰国させる

これは…明らかに本人の問題です。実技は会社の人が教え、筆記試験対策には監理団体の通訳がついて教えたにも関わらず落第してしまった…。追試も落第。帰国するしかありません。法的に滞在することができないんです。それでも、駄々をこねて帰国しない人もいました。

派遣機関の出番です。

保証金を返せ!というのは、わかるのですが、保証金は預けていないけど、出国までにかかった費用を返せと無茶な要求をしてきた者もいました。派遣機関に連絡して、その費用も支払うと伝えましたが、それでも納得しない。

結局、派遣機関の駐在員が一筆書いて納得し、帰国しました。でも、帰国後、そんなのはタダの紙切れ、当然費用の返還なんてありえません。怖いですね。中国の派遣機関。

一筆書いたけれども、帰国しないと言い張った実習生がいたので、警察署の前まで連れて行ったら帰国すると言い始め、やっとのことで帰国させたこともあります^^;



在留期限がまだ数ヶ月残っている場合

いかなる理由にせよ、中途帰国する時、在留期限が残っている場合は要注意です。以前も書きましたが、一度帰国して再入国してくる場合もあるのです。

これを防止するためには、空港にある警備会社に依頼して出国審査場まで実習生をエスコートしてもらいます。二度と入国して来ないよう、出国審査場の係員に在留カードに穴を開けてもらいます。VOIDされた在留カードは監理団体または企業の方で回収します。費用は警備会社によって違いますが、1万円~です。

「ケンカして帰国させようとしたら在留期限があと6ヶ月もある!」

こんな時は警備会社に依頼しましょう。後顧の憂いを絶ちましょう。

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