外国人技能実習受入で行ってはならない営業手法3つ

監理団体ははっきり言ってお金儲けのために技能実習生を受け入れております。建前は多額の利益を得ては行けないようですけどね。正直生きるための糧であります。という訳で、受入企業を増やして、技能実習生の受入数を増やさないと、自分たちの給与も上がらないし生活にも困っちゃうわけです。

でも、あからさまに営業がしづらいのがこの業界の悩ましいところです。営業と言わずに「組合傘下の企業を増やす」という形で宣伝していきます。ホームページやDM(ダイレクトメッセージ)などで宣伝するのですが、文言の作成が難しいのです。

外国人技能実習生受入企業の営業開拓は難しすぎる!

前置きが長くなりましたが、おすすめできない営業方法をご紹介。



1.NG文言を使用した営業 危険度:S

  • 外国人技能実習生を最低賃金で雇えますよ!
  • 外国人技能実習生を日本人の正社員やパートよりも安く雇えますよ!
  • 現場の労働力を確保できますよ!

まあ…文書にした時点で大問題ですけど、営業先では口頭でこれと似たようなことを言っている組合員は腐るほどいると思います。契約社員やらパートと競争するには安い賃金で、尚且つ定着率も良いということをアピールしなければなりませんからね。

でもね…。

こんなことを言っても行けないし、職種にもよりますが、パート、アルバイトよりも安いというわけではありません。人件費はかかりますし、面接を始めとする採用までにかかる労力、費用、教育費、飛行機のチケット代、生活基盤を整えるための費用、アパートの敷金礼金など…。受け入れたら受け入れたで、日本人ではありえないようなトラブルを起こします。

私は以前営業メインで動いていたことがありました。正直営業成績は良い方でした。でも、上記のような極めて現実的なことを述べさせていただき、リスクを承知のうえで受け入れてもらった企業さんばかりです。8年ほど経ちましたが、今でも継続的に人数枠いっぱいに受け入れてくださっています。

安定したお取引を続けていきたいのであれば、現実を伝えることです。私の元上司はすでに汚い金にまみれてトンズラ、業界的には抹殺されてしまったそうです。それは、とにかく味噌もクソもなんでも感でも受け入れるスタイルだったからです。当然遵法精神が希薄な企業だってあります。失踪はする、実習生を奴隷のように扱う企業。でも、キックバックとやらが元上司の懐に飛び込むので辞められなかったのでしょう。

今ではその上司も企業も跡形もなくうちの組合から消えましたけど、ゴキブリのようにコソコソ商売を続けていくのって道徳的にも、精神的にも悪いと思います。

2.ブローカーによる斡旋 危険度:S

はい、どストライクの禁じ手ですね^^;でも、現状、この手のブローカーに頼っている組合はたくさんおります。入管はブローカーの取締りに厳しいようですが、ブローカーと派遣機関、組合は結託して証拠を残さずに受け入れを勧めているので、なかなか尻尾をつかめないのが現状です。

うちの組合もブローカーに頼っていた時期がありました。私が入社してすぐに組合の理事長とブローカーが大喧嘩しているのを目撃したことがあります^^;

結果的に組合はブローカーを叩き出しました。それまで、部課長クラスがブローカーの協力を得て受入をしていたんですね。当時、ブローカーから紹介された企業数、実習生数が、組合の受け入れ総人数の半分に迫る勢いでした。

ブローカーが組合理事長の権勢を上回っておりました。部課長はブローカーにひれ伏し、様々な要望を組合に突きつけてきました。

・面接の際のチケット代金、ホテル代を負担しろ。
・紹介料をもっと増やせ。

ブローカーは派遣機関からも紹介料をもらっています。組合からももらっています。組合がいくら彼に渡していたのか、今もってわかりませんけど、額に不満だったらしく値上げを要求していましたね。

デメリットとして大きいのは金額のみではなく、違法であること。更に、受入企業が組合の言うことを聞かず、ブローカーの話ばかり聞いてしまうことです。

  • 36協定を守ってください。
  • 残業のしすぎはダメですよ。
  • 宿舎は一人あたり一定の面積以上にしてください。
  • 受け入れ職種以外の仕事はさせないでください。

ごく一般的な注意事項ですけど、企業さんは全然聞いてくれないでしょう。ブローカーが企業にちょっと囁やけば、企業はブローカーの言いなりです。

「なあに、組合がどうこう言おうと関係ない。残業がちょっとオーバーするくらい構わない。職種以外の仕事だって少しくらいやってかまわないよ」

ブローカーはいかん!



3.零細農家、零細建築企業などをターゲットにする 危険度:A

この業界は人手不足です。でも、彼らとて決して懐事情が良いわけではありません。そこにつけこむような形で外国人技能実習生の受け入れの営業をかける。監理団体の人間であれば、この職種がちょっと危険であることはご承知のはず。

  • 低賃金
  • 失踪率の高さ
  • 低モラルな経営者
  • 遵法精神の低さ
  • 暴力事件が多い

でも、積極的に入れていのたがうちの元上司でした。味噌もクソもとにかく契約して、実習生を受け入れる。入国させてしまえば、派遣機関からキックバックがあったそうですから。いくら組合のために売上を伸ばそうと躍起に営業しても、長い目で、いやいや…短い目で見てもこの手の企業と受け入れ事業を行ってはいけません。

やたらとこの手の企業と契約をしている同僚や上司がいたら、必ず裏がありますので、会社の規模、経営状態、経営者の資質などをよく考慮してから決断しましょう。

一番安心できるのは、気心しれた知り合い、組合の理事、信頼できる派遣機関からの紹介でしょうね。良い人脈から紹介された企業は良質なものが多いです。

人脈を築くのは、どの業界でも大事なことです。問題はどうやって人脈を築いていくかなんですよね。私も正直人脈を築くのは得意とは言えません。『マル秘・人脈活用術』を勉強して『顧客の紹介の連鎖!』を味わってみたいものです。

私は同業の人間に言わせると、「バカが付くほどの正直者」だそうです。まあ、ゲスな手法で仕事をしている連中から言われているので、むしろ褒め言葉だと思っています^^


タイトルとURLをコピーしました